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三軒茶屋すずらん通り大衆割烹味とめ

https://ajitome.xyz

建替工事休業
3/1営業再開!


\\新歓ご予約//

03-3422-5845

味とめビルにて新装開店特別営業中

昭和から三軒茶屋にのれんを構え半世紀...かわらず懐かしい憩い処。
メニューが多くて話題の料理店。美味しい料理とお酒で癒しのひと時を...



味 と め 物 語 アナザーレポート


update

〜 休業中に迎えた2回目の八幡神社お祭を終えて 〜

うつ・・ろいゆく時代ときのなかで


イントロダクション

 平成はインターネットが人の生活を激変させ「ググればいいや」と検索の時代として、後世の歴史教科書に登場するのかもしれない。未来の教師は生徒たちを前に、覚えきれず検索せなばならぬほど膨大な情報が駆け巡る社会にあって、ひとつゝの情報を、見つめる、味わう、想いをはせる、に時間が費やせず、ペットの子犬が成長するが如し速さで変わりゆく時の流れに戸惑うものもいた…と読み聞かせ、この時代に生まれた俗語ドッグイヤーにマルをつけ「ここアンダーライン!試験に出るから」と語気を強めるのかもしれない。当更新では、そんな平成さいごの秋の想い出を、この1枚の写真に写る味とめヒストリーを交え紹介したい。

お祭りオフショット

※2016年10月10日撮影


 先日たちは後世に伝えるべく、情報の記録、伝達、再現する術をこれまでも多く残しくださっている。古来の文字はもとより、印刷、音楽、写真、映像...インターネットも、またそのひとつに加わるのだろう。




※三軒茶屋の古写真は権利処理したうえで掲載しております。


ありポジ昭和43年1986年の三茶交差点

昭和の玉電 三軒茶屋


 この景色は昭和43年(1968年)の我が街三軒茶屋だ。当記事をお読みいただく方のおおくはご存知と願うが、三軒茶屋すずらん通りで1年前まで50年老舗割烹味とめを営んでまいった。当サイトはそのお店のホームページである。ながらくの休業により皆さまの中でも過去のひとつ、想い出として、記憶のなかに埋もれつつあるかも知れぬと懸念を抱きながら当更新をしている。当店が味とめとして営業しはじめたのはこのモノクロ写真の頃。平成のひとつ前である昭和後半のことだ。"いもむし"の愛称で親しまれた路面電車の玉川線(明治40年開通)が廃線となり今の東急世田谷線として残ったのは、この翌年のことである。三茶のランドマークキャロットタワーはもちろん無かった。


ふるい写真

※35年以上前に撮影されてもの
店主実姉の夫が写真好きだった


 当時を知らずに記事更新とは恐縮だが、埋もれ、薄れゆくと先に述べた懸念を抱くに1年という期間は十分である。決して、ひとときではなく、皆さまの生活、皆さまの人生においては区切りのつく期間であろう。 50年の歴史においては、お出かけ前の身支度30分ほどの時間であったとしても、ドックイヤーもはやばや死語となるご時世...そんな年月の一区切りである1年を経ても、営業再開にこぎつけられていない点をまずはお詫び申しあげたい。 当初再開予定から遅れが生じている経緯は後述するが、休業中に2回目を迎えることとなった八幡神社のお祭が去るにあった。


太子堂八幡神社01


 地元の方でもない限りご存知なくて当然なので補足する。八幡神社は、現在新ビル工事中の当店が位置する太子堂の地元に古くからある神社で、誉田ほんだ別尊をご祭神さいじんとする。境内の沿革案内によれば、平安時代、陸奥の豪族安倍氏征討に向かう源頼義・義家父子が武運祈願に立ち寄った神社とされる。第二次世界大戦でも敵軍の爆撃を免れた幹回り4メートルを超える樹齢数百年の大楠おおくすが八幡さまをお守りしている。毎年10月第2日曜と前日には神社の例大祭が催される。当店味とめもお祭りモードとなり、県外からお祭の神輿担ぎ参加にあわせてわざわざ来店くださる遠方在住の常連さんがいらっしゃるほどだ。

昔の赤飯祭り

当店のお祭り恒例の赤飯



 さて、イントロダクションの写真だが、数年前のお祭りで撮影した神輿の若い担ぎ手さん達のオフショット。柵の上に座ってお行儀が悪いなど責めるつもりはなく、神社の広場で地元の仲間とまったり過ごす祭開催中の何気ないワンシーンだ。イントロダクションので通りこの写真には当店にまつわる古い事実が隠されている。神社の増築や改築には地元民の支援がともなうもので、写真の彼らが腰かける柵には、昭和の頃に支援されたかたがたの名が刻まれている。

石碑にトリミング


 今年の春先、古くから常連さんから「辻って石碑あったけど?」とお知らせいただく。辻家一同には寝耳に水で、この写真撮影当時も気がつきもしなかった。この知らせで店舗休業中にその存在をはじめて知った先代「辻トメ」との刻銘。
 先代「辻トメ」
は店主女将の他界した旦那の母にあたる。先代も、次から次へとアイデアを具現化し、行動力のあるパワフルで豪快な女性であったと聞く。こんにちの当店が割烹としての歴史を紡げるのも先代あってのこと。辻家はもともと武具店を営んでいたが、第二次世界大戦敗戦後の混沌とした昭和の世田谷下町三軒茶屋で飲食店に鞍替くらがえし、ラーメン屋、食堂など複数の店を営んだと伝え聞いている。

先代 辻トメ

先代 辻トメ



 破天荒な店主の言動もまた先代から引き継ぎしことなのかどうかはここでは触れない。旦那の他界後、先代同様、結果的に女手ひとつで店を切り盛りしてきた店主女将からのご挨拶をつづけさせていただく。



 天候に恵まれ楽しくお祭に参加いたしました。昨年10月からの休業の為、昨年同様に私の単独企画での参加となりました。休業中につき久しぶりに八幡神社でゆっくり過ごせました。賑わう参道の露店を楽しみながら、神社にお参りし、神楽殿かぐらでんでの太鼓の演目も楽しみました。参道や境内でもお馴染みさんにお会いすることもできご挨拶いたしました。




 神社では当店の先代辻トメさんの刻銘も見つけらることができました。学生時代から味とめに通ってくださる常連さんに教えていただいてたのですが、ようやくトメさんにもご挨拶することができました。
 先代トメさんは「2人の子供のために」とそれぞれ. . . .に、お店とお墓を残してくださいました。そのお店が、亡き亭主と私で跡を継いだ当店味とめです。私も歳を重ねましたが、自分の息子2人が頑張ると言ったもので、昨年、休業を伴う建替工事を決心いたしました。


石碑の刻銘まえでの写真2018-10

『先代辻トメさんの刻銘まえで』


 今でも私はお料理の勉強しながら当店営業再開に備えております。今日は、銀座通り茶沢通りで各町内お神輿に声援を送っている私に、当店お馴染みの担ぎ手さんから「味とめ早く開けろ」「味とめ早く開けろ」とお神輿ワッショイの拍子にのせて逆に声援を頂戴してしまいました。とても嬉しくありがたく、私もパワーを貰いました。ワケあって休業から1年経過してしまいましたが、地元はもとより全国でお待ちくださるお客さまのご期待に応えられるよう味とめ店頭に再び立てる日まで頑張ります。当店の営業再開は来年3月を予定しております。誠に勝手ながらお待ちくださいますようお願い申しあげます。



味とめ店主・辻教子



 当店関係者も知らずの事実に、先代の大きさを感じるとともに、引き継ぎ、歴史を途絶えさせることなきよう来年春皆さまと再会できるようこの後の準備を進めて参りたい。


2度も八幡神社お祭を休業中に迎えた経緯について


 当店建替工事の為の休業後から半月ほどで、昨年の八幡祭を迎えた。まだ旧店舗解体前ということもあり、女将単独企画によるブルーシート祭を開催した。その後、旧店舗解体工事がなされ、地盤の丈夫さを調べる地質調査を実施してみたところ、地層深くに水が流れている事が判明。それによりビル支柱を更に深くまで打つ工事計画の見直しが必要となった。しかも、地層からは古い井戸がみつかった!太子堂のこの一帯は川があったとのいい伝え(*)を女将も、先代トメさんより聞かされてた事があったそうだが、井戸となれば、無下に埋めてしまっては水の神さまの怒りを買ってしまう。地盤固定のコンクリート養生では水の神さまが苦しまぬよう空気孔を追加した。古い店舗ゆえに想像もつかない事がつきまとう。当店旧店舗は、すずらん通り西友側入り口付近に位置したが、通りの各店舗の電話回線の終端装置が当店に集中して設置されていた。その移設作業など、古い店舗解体工事とは決して容易ではなく、工事計画見直しによる申請や工期再見積もりなどの影響もあって、 当初予定の営業再開が叶わず、今秋、休業期間中に2度目の八幡祭を迎える事となってしまった。




 女将がふくろう祭出張を決断の「最近神社にっているの」との言葉の真意は、先代辻トメの刻銘の事実を知ったからであったとのこと。


弁天社

八幡神社 弁天社


 いい伝えによれば源平の頃より存在する八幡神社の正面口には弁財天べんざいてん(厳島大神)を祭る弁天社がある。元々、ここの弁天さまは烏山川の弁天橋のたもとで水・農耕の守り神でいらして、昭和27年に移られてきたそうだ。地元小学校の沿革誌(*)にも移設まえ当時の弁天さま新年会の写真が掲載され、地域で慕われし弁天さまとうかがい知れる。「学生時代、アタシは弁論大会の選手よ」と自ら得意げに語る当店女将だが、七福神で紅一点弁天さまは弁(言葉)の才に優れた神さま。古来日本には弁才天と伝わり、語呂からなのか、後に、財が貯まる神弁財天となったらしい。また、楽器琵琶を手にする様から芸能の神さまでもある。当店が芸能関係者にも常々たいへんお世話になっているのも太子堂八幡神社の弁天さまに見守りいただいてるが故かもしれない。

神社のうさぎ

※八幡神社で飼育され見物できるウサギさん


 なお、弁天社では琵琶の形状に近いとしてを呼ぶシャモジが売られている。
 なんでもかんでも神だのみするのはよろしくないが、水のトラブルで工期延長を余儀なくされた当店としては水の神さまである八幡神社の弁天さまに是非ともあやかりたい。



(*)謝 辞
本記事更新にあたり、勝手ながら"太子堂八幡神社 略記"はじめ八幡神社さま掲示物の参考、および、撮影の協力をいただきました。
また、太子堂の中島薬局さまには"大志の学び舎世田谷区立太子堂小学校創立九十周年記念誌"閲覧ご協力をいただきました。
ご両者さまへのご協力に心から感謝の気持ちとお礼を申しあげます。


味とめ



女将単独企画中止のお詫び

\\運営からのお願い//




過去の「味とめだより」



三軒茶屋すずらん通り大衆割烹味とめ
https://ajitome.xyz


お店までの地図


営業時間:再開特別営業中
月~金 9:30~23:00(OL) 土・日・祝 15:30~23:00(OL)
夕刻~23:00(OL)

定休日:月曜休

ご予約・お問合せ
03-3422-5845